ジョゼ・モウリーニョが、デービッド・モイーズに人生のレッスンを教える【翻訳記事】

元記事:Jose Mourinho Teaches David Moyes a Life Lession


「プロジェクト」は、昨今のサッカーの監督にとって、不明瞭な決まり文句となっており、ジョゼ・モウリーニョは、その言葉に彼独自の解釈がある
 

「これは、私自身の人生のプロジェクトなんだ」ーなぜ彼はチェルシーを指揮しに戻ってきたのか、なぜマンチェスター・ユナイテッドは、サー・アレックス・ファーガソンの後継者として、彼にアプローチしないことを決断したときに彼を誤解したかもしれないのか、なぜスタンフォード・ブリッジでの二度目の仕事は、以前とは異なったものであるのかを説明するように尋ねられたとき、彼は言う。

モウリーニョは、次の日曜日に51歳になる。彼は、デービッド・モイーズよりも三ヶ月だけ年上なだけだが、既にポルトガル、イングランド、イタリア、そして、スペインでタイトルを獲得している。モイーズは、まだ何も勝ち取っていないのに、だ。

モウリーニョの娘のティタは17歳、息子のジョゼ・マリオは14歳だ。(彼の)私生活も仕事生活も、次の段階に移りつつある。彼が頭の中で明確に描いている「人生のプロジェクト」の違う段階に。

「私は、監督にとって、全ては人生のプロジェクト、キャリアのプロジェクトと共に始まるべきだ、と思っている。私は、最初からキャリア・プロジェクトを持っていたよ」ーモウリーニョは言った。

「私は、イタリアで、それ(キャリア・プロジェクト)をしたかった。スペインで、それをしたかった。イングランドで、それをしたかったんだ。私は、その三つのサッカー大国で、全てのタイトルレースに勝とうとした。息子と娘が小さいうちに私がしたかったことが、それなんだよ」

今、モウリーニョは、私生活だけではなく、仕事をするクラブにおいても、一つの場所に根を下ろすことを望んでいる。移動し回ることは望んでいない。もうこれ以上は。その部分の彼の「人生のプロジェクト」は、終わったのだ。

今日のプレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド戦に先立って行われた会見で、モウリーニョが呪文のようにホーム(チェルシー)のことをこう言っていたのは、そのためだ。彼は、未来に向けてのチームを作っている。チェルシーは今、過渡期にある。向上している最中だ。これは「進化のとき」なのだ。

また、今シーズン、彼には他のメッセージもある。マンチェスター・シティは、別次元にいる。(シティの)選手たちは、年齢的にキャリアのベストの時期を迎えている。チェルシーは、(今シーズンは)多額のお金を使っていない。モウリーニョが「若く、美しい卵たち」と印象的に評したように、チームは時間が必要な若い選手たちであふれている。

(今まで)使った金額、(選手の)年齢や経験に関しての話に顕著なように、これらの主張のほとんどは合点がいかないという事実はあるが、それは取るに足りないことだ。モウリーニョは、過去に成し遂げた素晴らしい功績によって、サポーターから絶大な信頼を得ており、彼が正しいのだと、外の世界を説得することができている。

しかし、彼はそれと同時に、自分の思考プロセスに向き合い、それを説明することを厭わない。その意味で、クラブは変化していると伝えるやり方、それを最大限の明確さを持って行うやり方に関するレッスンを、彼はモイーズとユナイテッドに教えていると言えるだろう。 

それが有効だろうとそうでなかろうと、本物であろうが幻覚であろうが、モウリーニョのやり方は素晴らしい。

ボビー・チャールトンは、彼はユナイテッドに適切ではない、という論理の一部で、このポルトガル人は「神格化されすぎている」と、一度、否定的に語ったことがある。彼(モウリーニョ)は短期間で仕事をするアプローチを続け、短期的な成功をもたらすが、最終的には、忍耐に欠け、要求が多く、激しいヒット・エンド・ラン監督であり続けるだろう、と。

公正を期すために記すが、モウリーニョは、レアル・マドリードで世界と戦争を起こしていたとき、ユナイテッドから(監督就任を)求められてはいなかった。彼は、オールド・トラッフォードは選択肢にはないことを知っており、既にチェルシーに戻ることを考えていると、しきりに強調していた。

「私は何も感じない。まったく何もだ」ーモウリーニョは、チャールトンの批判を蒸し返されたときに言った。「たとえ、明らかに私が尊敬する偉大なフットボール界の人物が、私について何を言おうと、私は気にしない。本当に何も気にしない」

しかし、ユナイテッドは、彼と彼の意図を読み違えていたのだろうか。彼らは、彼が「人生のプロジェクト」の新しい段階に移りたがっていることを、調べようとはしなかったのだろうか。

「これは私に取って、別の仕事なんだよ」ー彼は自身のチェルシーへの帰還について言った。「安定のためであれば、私はここにいない。全ての相手に勝ちたくなければ、ここにいない。私は、それ以上のものを望んでいる。しかし、それは、私のキャリアの中の別のプロジェクトだ。今、私は自分がどこにいたいのかを知っている。本当に単純なことだ」

「私にとって大切なのは、自分のキャリア・プロジェクトであり、私は多くを学び、多くを考える。私はクラブにいるとき、プロジェクトに取りかかっているとき、自分のリーダーシップスタイルをよく考える」

「もしも私が、できるだけ賢く、プロフェッショナルなやり方で、それを行いたいのなら、明白な一つのやり方としては、すぐに成功できるクラブを率いることだ。2年程度は、リーダーシップのスタイルは、多くの衝突を起こすスタイルになるだろうがね」 

しかし、それは既に変わった。モウリーニョは、アブラモビッチ政権下で仕事をした監督の在任期間に関する自分自身の記録を塗り替えながら、チェルシーでの4年間の契約を全うするだけではなく、在任期間を倍にする意思があると言っている。衝突(するスタイル)は、決してそれを可能にはしないだろう。

モウリーニョは言う。「一つは、これから数年を共にするであろう、旧知の選手たちと関係を保つことであり、もう一つは、5年、6年、7年、8年とクラブにいるであろう選手たちを、共感と共に教育することだ」

それは当然、13年間で7回クラブを変えたモウリーニョにとって、新たな冒険になる。しかし、既にマネージング・スタイルを柔軟に変化させているように、それは全部計算済みだと、彼は言う。

「私自身は、自分がしたことで変わらない。私は、自分がしていることはわかっている。変わったのは、私のスタイル、コーチとして、監督としてのあり方だ」

「私のキャリア計画を理解するには、あなたは非常に賢くなる必要がある。私はそれをオープンな方法で語ることはできないし、選手たちやクラブに、『私はこのやり方やあのやり方で、それをやる。なぜなら、私はここに数年だけいるから、もしくは、私はこれからずっとここにいるから』などとは言えないからね」

「だから、私が私自身で何かを行い、それを説明できないことはある。もしかしたら、いつか説明するかもしれないが。本の中でね」

(もしもモウリーニョが本当に本を書けば)きっと読むのに魅力的なものになり、興味をそそる映画にもなるだろう。モウリーニョは映画の大ファンであり、彼は自分を語るときに、よく映画の言葉を使う。

「これは私の映画だ。あなたのではない」は、彼の有名な言葉であり、彼は、自分のキャリアの脚本を書こうとしているようにも見える。少なくとも、そうしているような強い印象を与える。 

モウリーニョの次のステージは、今までのアブラモビッチ政権下の監督が成し遂げていないことを成し遂げること、つまり、高額な資金で維持されている(チェルシーの)アカデミーから、若い選手を(トップチームに)連れてくることであろう。

「(そのような選手は)ジョン・テリーが最後だ。(しかし、テリーも)前回の私の就任時(に昇格したわけ)ではなく、その前からいたんだ」ーモウリーニョは言う。「これは、とても大事なことなんだ。何としても、今度はそれ(チェルシーのアカデミーから若手を昇格させること)を実現したい」

時間は、かかり続けるだろう。「クラブは、よくやっている。前よりも成熟し、前よりも安定していて、何が望みなのかをわかっている」ーモウリーニョは言う。

「このクラブが何を欲しがっているのかを言うのは簡単だ。このクラブは、勝利することを望んでいる。これは、誰もが言っていることだね。このクラブは、物事の行いかたを知っている。だから私が来たのだ」

「私は、ただチェルシーが好きで、戻りたいから来たのではない。私は、このクラブとそのプロジェクトを信じているんだ。だから、私は、自分のベストを捧げるために来た。そして、私の最初の目的は、3年半という記録を破ることだね。4年の契約があるから、その記録を破ることを願っているよ」



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Yasu is the founder and CEO of Good Friends Japan. We aspire to offer opportunities of international education to unprivileged young adults. リベラルアーツ教育研究、英語学習のためにICUを中退。アメリカ、カナダに学部・大学院留学。米の中高の特別講師、サッカーの助監督、カナダで路上生活者と共生。カナダの教会で、異文化教育、カウンセリング、葬儀等を担当。シンガポール勤務を経て、児童養護施設出身者、中退・引きこもりの若者など、社会的に困難な状況でがんばる人たちの国際教育支援チーム創設。教育学修士。@yasukuwahara