本田圭佑はミランに希望を与えるが、真の進化には時間を要する【海外記事】

ACミランの本田圭佑のキャリアは、軌道に乗るまでに時間を要した。一月にチェスカ・モスクワからヨーロッパ5大リーグへ待望の移籍を果たした日本代表のスターは、セードルフ政権でのミランの低迷に合わせ、足踏みをしていた。トップに君臨するのに慣れているロッソネリは、最終的にリーグ8位に沈んでいる。

参考:Keisuke Honda Offers AC Milan Hope but Real Progress Will Take Time


インザーギの昇格は、クラブのとって新しい幕開けの序章だった。マリオ・バロテッリ、ロビーニョ、カカは、それぞれ売りに出された。プレシーズンは悲壮感が漂ったが、シーズン初めの2連勝は、クラブに暫くぶりにポジティブな要素を取り戻した。ユベントス戦の黒星、エンポリとチェゼーナから勝ち点3を奪えなかったことは、エンジンがかかる前に脱線するのではないかと危惧させたが。

ミランはチームとしてまとまり、自信に満ちているが、それでも懸念材料には事欠かない。インザーギの挑戦は、勝利できなかったチーム相手にも勝利し、リーグの強豪を相手にタイトル争いができるという、勝利の信念を植え付けることだ。

今年のミランはセリエAを制覇しないだろう。しかし、新加入選手の顔ぶれを見れば、チャンピオンズリーグや欧州リーグ参戦ができない、と考える理由は何一つない。

本田は、そのような選手の最たるもので、飛躍的に向上したフォームで、今シーズンを始めている。まだ望ましい形で起用されることばかりではないが、これこそクラブが一月の移籍で信頼していた日本人スターの姿だ。

本田「インザーギの就任は僕に取って重要だ。彼は僕に多くを与えてくれてるし、僕は彼のために懸命に走る」


生粋の10番である本田は、セードルフの元で右サイドでプレイした。インザーギの元でも同じポジションで勝負し、5試合で3ゴール5アシストと結果を出している。最近起用されている4ー2ー3ー1のシステムで本田が司令塔になる可能性はあるものの、イタリアで多用される4ー3ー3のシステムでは、3トップの右ほど本田がマッチする場所はないだろう。

10番を置かないチームでは、彼の才能を活かす方法を見つけるのは難しい。今までペナルティエリアの中や周りで決定的な仕事をしてきており、彼は今より後方に位置する4−3−3の中央のMFではない。また、彼にはストライカーに必要なフィジカルが備わっていないので、ストライカーでもない。

議論の的になるのは、たとえ昨季より向上したフォームであっても、本田は外に開いてプレイすると、彼が最も決定的な仕事をするエリアから遠ざかり、その能力が制限されてしまうことだ。 しかし、インザーギは右サイドバックのアバーテにオーバーラップさせることで、4−3−3で右FWに入っている本田に、中央寄りでプレイし、FWのメネズやエル・シャーラウィと連携する機会を与えている。後方にいる三人のMFによるサポートによって、FWのトリオは高い位置にポジションを取ることができる。結果として、WhoScored.comの統計に見られるように、本田はこれまで10本のシュートを放っており、メネズと並んでチームトップの数字になっている。これは彼がピッチの正しい位置にいる証拠だ。

下はSquawka.comによる、ボールタッチのマップだ。今シーズン、本田が高い位置でプレイできていることを示している。

昨シーズンのアトランタ戦


 

今シーズンのチェゼーナ戦。本田はより高い位置で攻撃参加している。


中盤の選手の怪我によって、先週のミランは4−2−3−1に変更した。インザーギには本田に10番の役目でプレイさせる選択肢もあったが、中盤の中央にはメネズが入っている。このフランス人選手は、パスすればチャンスになる場面でパスを出さないことがしばしばあることから、この決定は少々理解に苦しむ。本田のディフェンスをこじ開ける能力を考えると、この役割は、このとき右MFに置かれた本田が、より向いているだろう。

本田もメネズも、中央でプレイした時にチームに力をもたらす。ここ数試合の残念な試合結果は、インザーギにも責任がある。彼は4バックを安定させなければならない。ここ5試合で4パターンのセンターバックのコンビを試し、まだ無失点で試合を終わらせたことがない。本田も4−2−3−1の端でプレイするべきではなく、フィットしているメネズを差し置いて、トーレスが先発しているのも、説明が難しい。

インザーギ「本田は手本になる選手だ。練習にはいつでも時間通りに来るし、家でもトレーニングに励んでいるようだ」


ミランに天才的選手がいない以上、本田の才能をもっと活かすべきだ。ポジションに柔軟な選手ではないとはいえ、適切に使われれば、彼は真の勝者になれる。

ミランは以前のようなレベルにはない。しかし、デ・シリオ、本田、デ・ヨングのような選手は、クラブを望んだレベルまで引き上げることができるだろう。

インザーギはまだ監督業を学んでいる最中である。確固としたシステムを構築していないのも、ほとんど目立ったスター選手もなく、様々なオプションがあるチームを指揮していることを考慮に入れると理解できる。

しかし、5試合をこなした後、そろそろシステムを固めるときがきた。現時点では、本田を中心にチームを作るよりも、よい選択肢はないに等しい。偉大な姿勢を持ち、ビッグゲームでプレイできる本田は、ミラネッロの新時代の顔になれる、いや、なるべき選手なのだ。

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Yasu is the founder and CEO of Good Friends Japan. We aspire to offer opportunities of international education to unprivileged young adults. リベラルアーツ教育研究、英語学習のためにICUを中退。アメリカ、カナダに学部・大学院留学。米の中高の特別講師、サッカーの助監督、カナダで路上生活者と共生。カナダの教会で、異文化教育、カウンセリング、葬儀等を担当。シンガポール勤務を経て、児童養護施設出身者、中退・引きこもりの若者など、社会的に困難な状況でがんばる人たちの国際教育支援チーム創設。教育学修士。@yasukuwahara