【海外記事】ポーランド:ヨーロッパの新しい大学進学先か?

ポーランドで学ぶのは、イギリスの教育機関に行くよりも遥かに安い。しかし、これだけが東方(*イギリスから見て東にあるポーランドのこと)に旅立つ理由ではない。

参考:英紙ガーディアン

クラクフのヤギェウォ大学は、ポーランド最古の大学だ。ジンジャーブレッド菓子から、レストランやパブに至るまで、ポーランドの文化は、イギリスの生活の一部だ。約57万9千人のポーランド系が、イギリスで生活するために移住してきている。

しかし、強まるポーランド人とイギリス人のつながりは、義務教育終了後の学生たちが東方へ学びに飛び立つことを後押しするだろうか?

留学生にとって、第一の選択になることが稀だったポーランドは、現在、ヨーロッパの教育の新たな選択肢として、自らのブランドを再構築している。学生を海外から誘致することでは、これまでポーランドは他国の後塵を配していた。現時点では、わずか1.39%の外国籍の学生がポーランドの大学で学んでいる。最も多いのは、ウクライナ、ベラルーシ、ノルウェーからの留学生だ。

イギリスからポーランドの大学に留学する学生は増えてはいるが、まだ総数は少ない。2006年—2007年には、わずか72人の学生がポーランドで学んでおり、その数は2010年—2011年でも、164人に留まったままだ。

このような状況の中、ワザルスキ大学のように、多くの教育機関は、学部レベルでも大学レベルでも、英語で学位が取れるようにして、留学生誘致に新たな努力をしている。この国の安価な大学のコースは、外国の若い学生にとって、大きな魅力だ。

ポズナンの大学で英語を学んでいる、アルゼンチン人のユアン・マルティンは、学位をとるためにポーランドに来た理由を、「安いからだよ。アルゼンチンよりもずっと安いんだ」と述べている。

マルティンの言う通りだ。イギリスの大学では、一年間学ぶのに約9000ポンドがかかるが、ポーランドでは、最低3017ポンドに抑えることも可能だ。

私は、学費が一年間に1000ポンドの私立大学に通っている。しかし、留学生を含む優秀な学生は、奨学金を得ることもできる。昨年、私は2000ポンドの奨学金を授与され、それで二年間の学費を支払った。

生活費も非常に安い。エディンバラ大学は、食費、住居費、生活必需品、交通費を含め、平均的なイギリスの学生は、娯楽費を除き、週に150ポンドが必要になるだろう、と計算している。これは大体、ポーランド通貨で750ズォティに相当し、ポーランドでは、家具備え付けアパートの豪華な部屋を一ヶ月借りることができる。

学費も生活費も安価だが、学生の大学生活はどうだろう?イギリスでは学生は、キャンパス内か近くに住み、学生組合に関わり、ソサイエティに入り、定期的にスポーツをする。ポーランドでは、学生生活は、学びに集中している。タイムスケジュールが詰まっており、専攻のクラスに出席し、学科の他の科目のセミナーや一般教養の講義に参加する。少し、アメリカに似ている。すべての成績は重要で、学生たちは一生懸命に勉強する。

ほとんどのポーランドの大学には、バーやクラブを持つ学生組合はないので、大学ではなく、街のクラブが学生の夜を楽しませている。

2004年にポーランドがEUに加盟した時、多くの若者が海外に出て行き、頭脳流出が起こったと言われている。若者が海外に移住したことは事実だが、多くの学識や技術を持った人たちは、国に残っている。ポーランドには医者やエンジニアが不足しているということはない。高等教育はポーランドで高い価値を置かれ、80%の学部卒業生が、修士レベルで勉強する。

また、ポーランドは中央ヨーロッパのシリコンバレーとしても、急激な成長を遂げている。デル、グーグル、ヒューレット・パッカード、インテル、IBM、モトローラ、シーメンスなどの企業は、ポーランドに事務所を置くことを選んでいる。

ポーランドには長くいるわけではないが、活気のある都市の数々が、近代化し、発展していくのを見てきた。ポーランドがイギリス人の留学先の第一の選択になるのも、おそらくは時間の問題だ。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA


ABOUTこの記事をかいた人

Yasu is the founder and CEO of Good Friends Japan. We aspire to offer opportunities of international education to unprivileged young adults. リベラルアーツ教育研究、英語学習のためにICUを中退。アメリカ、カナダに学部・大学院留学。米の中高の特別講師、サッカーの助監督、カナダで路上生活者と共生。カナダの教会で、異文化教育、カウンセリング、葬儀等を担当。シンガポール勤務を経て、児童養護施設出身者、中退・引きこもりの若者など、社会的に困難な状況でがんばる人たちの国際教育支援チーム創設。教育学修士。@yasukuwahara