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IELTS/TOEFLなしでヨーロッパの大学に休学・認定留学して単位を取る方法

僕はGood Friends Japanという国際教育、留学関連の会社を経営していることもあり、「一学期、一年間の休学・認定留学をしたい」という大学生からの留学相談を連日受けている。

相談者の成績(GPA)とIELTS/TOEFLの点数は、人によってかなり幅が大きい。IELTSでは3.5-7.5、大学のGPA(4段階)平均では1.4-3.8くらいだ。

属性の大きく異なる学生たちに、「希望する留学に向けて、これからどのように行動すべきか」という点に関して、同じ提案はできないし、与えられるヒントも変わってくる。どのように行動するのがベストなのかは、人によって異なってくる。

 

成績・英語力の4象限マトリックス

 

僕らは学生の留学を手伝うときに、4象限マトリックスを使い、留学する予定の学生が、成績、英語力のそれぞれの軸で、だいたいどの位置にいるのかを記録している。下が普段使っているもののざっくりバージョン。実際に使っているものには、数字のメモリと合否の記録が細かくつけられている。

 

今日の内容は、この4象限の2(右下)のあたりにいる人向け。成績は平均以上あるけど、IELTS/TOEFLの点数だけが学部留学に足りない人、もしくは、そもそも点数自体を持っていない人を念頭に置いて、ちょっとだけ手助けできそうなことを書いてみる。

出願締め切りまでにIELTS/TOEFLの点数がないと、大抵は学部留学などできない。基本的には、そう考えておくべきで、IELTS/TOEFLの点数は、早めに取っておいた方がいい。僕はいつも、そうやって強く勧めている。

ただ、どうしても点数が届かない人、そもそも出願締め切りまでに点数が受け取れない人には、以下の二つのやり方があることを記憶の片隅にいれておいてほしい。わずかな数だけど、一部の大学では、これらの方法が通用する。

特に、二つ目の方法が取れれば、IELTS/TOEFLなしでヨーロッパの大学に休学・認定留学することができる。

 

1. IELTS/TOEFLをあとで提出する

 

第一に、IELTS/TOEFLを提出を出願締め切りの後にしてもらう方法。

何も言わずに黙ってあとで提出しても、大学は取り合ってはくれない。「やべ、IELTS/TOEFLの提出間に合わん・・・」と思ったら、すぐに大学に連絡を取ること。

「あのー、すいません。これこれこういった致し方ない事情がありましてですね、IELTS/TOEFLの提出だけが出願締め切りに間に合わないんすけど、これだけあとで提出する形にできますかね。僕、成績が超絶イケてて、輝かしい優等生の僕を教授が絶賛する推薦状も複数取れるんすけど」というのを、理路整然、かつ、わかりやすい文章で、大学スタッフに聞いてみるのをオススメする。

このときの注意点は、権限ゼロのスタッフや前例を知らない新人スタッフに聞いても無駄足になる可能性が高い、という点。

誤解を生む表現かもしれないけど、大学スタッフの相当数は、プロフェッショナルじゃない。上司から言われた作業だけをする、出願対応の素人だ。特に古い総合国立大学には、新人で何もわかっていない、聞かれたことの確認すらしないスタッフが大勢いる。こういうスタッフは、かなりの確率で、杓子定規に「ダメ。出願締め切りはこの日です」と伝えてくる。

「この新人、たぶん何もわかってないな」と思って、新人スタッフに断られたのに、スタッフの上司に直接電話をしたら、「オッケー。じゃあ、〜日を期限にするから、それまでに出せる?」と、あっさり要望が通ったことも数回ある。誰に聞くかによって答えが変わってくる、というのは、アドミニストレーションがぐちゃぐちゃの大学では、たまに起きる。

お願いするなら、責任ある立場の人、すでに様々な出願を扱ってきたベテランにすること。柔軟な対応ができるのは、いつだって責任ある立場にあったり、すでに様々な例外を知っていたりする人だ。新人スタッフには、柔軟さを期待できない。見分けにくい場合は、とにかく権限のある人に直接連絡すること。

 

2. 大学の先生に英語力を証言してもらう

 

第二の方法は、所属大学の先生に「この学生は、英語で学部レベルの授業をこなす英語力を有している」という文書を署名つきで書いてもらう方法。このやり方を受けつけてくれる大学には、そもそもIELTS/TOEFLの点数を提出する必要がなくなる。点数なしで学部留学することが可能になる。

「出願までに点数が届かぬぅぅぅぅぅう!!!!」とパニクる前に、まずは大学の先生からの証言を自分が出願する大学が英語力証明として受け付けているかをチェックしてみるといい。

受け付けていれば、焦ることはない。あとは所属大学の先生を見渡して、「この学生の英語力は、学部留学に十分な基準にある」と、署名つきで書いてくれる神々しいお方を探せばいいだけ。

細かな注意点として覚えておくべきは、フォームを留学先が用意している場合と、所属大学で自由に用意する場合の2パターンがある、ということ。せっかく先生に英語力証明を書いてもらったのに、「いや、うちの大学のフォームに記入しないと無効でっせ」と留学先に言われると、先生にもう一度頼むことになってしまうので、どのフォームに書くのかは、事前に確認をすること。

 

最後に

 

繰り返すけど、上記の方法が通じるのは、わずかな一部の大学だけ。大多数の大学は、「は?知らねーよ。出願締め切り書いてあんだろ。出せよ、その日までに」で終了。

僕も一度、IELTSの受験が間に合わなかった学生のために大学と交渉していたとき、「学部留学したいという願望だけで、実際にその実現に向けて行動してこなかった人間が、うちの大学の授業を取る資格があるとは思いません」と言われたことがある。僕はダメ元でも交渉するのが仕事の一つなので、とりあえず大学の対応の変更を試みようとしたものの、個人的には「おっしゃる通りです」としか思わなかった。

多くの大学は甘くない。「なんだ、出願締め切りに間に合うように焦らなくていいじゃん」「二つ目の方法があればIELTS/TOEFL受けなくていいんじゃん」とは、間違っても安易に思わないこと。

大学に休学・認定留学したいんだったら、大学の成績を良好に保ちつつ、まずはIELTS/TOEFLの点数を確保する。これが基本中の基本。

王道で出願できる状態にしておく方が、留学できる大学の選択肢がはるかに多い。上記の方法は、どうしようもなくなったときの最後の手段として考えておく程度にしてほしい。

休学・認定留学する人たち、健闘を祈ります。

ABOUT ME
Yasu
Good Friends Japan CEO. We aspire to offer opportunities of international education especially to unprivileged young adults. ヨーロッパと台湾で仕事をする北海道育ち。大学をアメリカ、大学院をカナダで修了。リベラルアーツ教育、宗教教育修士。
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