日本語ブログ

【ヨーロッパ留学】経営(ビジネス)・経済専攻の大学ランキングの総合ベスト8を算出してみた

非英語圏ヨーロッパに英語で留学する人が、日本でも増えてきた。

古くは、ドイツ(ドイツ留学を広めた先駆者『留学天国』)、フィンランド、スウェーデン留学から始まり、Good Friends Japanの紹介で、2013年くらいからは、ポーランド、ハンガリー、チェコ、オランダ、ベルギー、イタリア、2017年くらいからは、オーストリア、スイス、スペインなどが増えている。

ビジネス(経営)・経済専攻は問い合わせも多いので、韓国、マレーシアの協力会社と共同で、非英語圏ヨーロッパの大学ランキングのページを作ってみた。西欧や北欧に留学を考えている人は、ぜひ目を通してほしい。

条件

ビジネス専攻の学士課程を英語で学びたいとき、選択肢が多彩という点では、非英語圏ヨーロッパの三強は、フランス、オランダ、スペイン。「大学」という用語を使っているけど、高等教育レベルの本当の意味でのトップを導き出すために、同じ高等教育のグランゼコール、ビジネススクール(大学のビジネス学部のスクールも含む)も含めている。

このランキングは学士課程に焦点を当て、

  1. 非英語圏のヨーロッパ
  2. 学士課程を英語で学べる

という二つの条件をつけている。上記に当てはまらない英語圏の学校、現地語のプログラム、修士課程のプログラムは除外されていることに注意すること。

評価するのに参考にしたもの

ビジネス専攻は、大学の名前や総合評価とは関連が薄いケースが多いので、評価するときは必ず専攻別の数字を出す必要がある。人文系や理系のトップ大学の一部は、ビジネス教育自体のレベルは高くないため、たとえ有名大学でもトップグループには入っていない。

ビジネス・経済専攻の評価の参考にしたのは以下。この一つだけを見て、単純に総合ランキング順に並べるだけの方式では専攻別の評価は出てこない。ここでは全ての専攻別評価を総合して、それぞれの分析方法、各セクションごとの評価も加味して評価を下している。

  1. 各国の現地語のランキング(グランゼコール、ビジネススクールのランキングも含む)
  2. 学校単独のビジネススクールの有無
  3. QS World University Rankings(QS)
  4. Academic Ranking of World Universities(ARWU)
  5. The Times Higher Education World University Rankings (THE)
  6. U.S. News & World Report Best Global Universities
  7. Financial Times(FT)
  8. 現地語と英語のプログラムが併設されているかどうか
  9. 学部のトリプル・アクレディテーションの有無
  10. Accreditation Reports

指標が違う評価を全て確認した上で出していない学士課程のランキングは、無意味で参考にならない。大学の総合ランキングは、国や大学の規模、都市によって有利不利の差が非常に大きいので、まず確認すべきなのは、科目別の評価とその評価方法。

学費の安い大学は、現地語のプログラムの評価が高いところでも、英語のプログラムの外部評価が著しく低いことは多々ある。同じ専攻の現地語のプログラムではなく、あくまで英語のプログラムがどのように見られているかを調べることが必須。

また、大学のビジネススクールが単独で存在しているかどうかも大切な点。高いレベルのビジネス教育をする大学は、大学院レベルの教育を行うビジネススクールを単独で運営している。他大学と共同で運営している(=単独で運営できる力がない)大学は、たとえ共同運営のビジネススクールがあっても評価を半分にしている。

非英語圏ヨーロッパの大学のトップ8

トップ4

上記の条件のもとで、ビジネス・経済専攻の複数の外部評価を見ると、以下がトップグループ。リンク先は公式ウェブサイトではなく、大学キャンパスの写真なので、キャンパスの写真も見てほしい。

ボッコーニ大学は、ミラノ市内中心部にあり、典型的な都市型キャンパス。市内中心部といっても、観光地の近くというわけではなく、実際に訪問してみると、キャンパス周辺は喧騒とは無縁の環境だった。新しくできたスタイリッシュなキャンパスは、日本人が設計している。慶應義塾大学とダブルディグリープログラムによる結びつきがあり、ここにはもっと日本からの留学生が増えてほしいし、慶應の学生はボッコーニ大学とのダブルディグリーを大いに利用してほしい。

オランダのビジネス専攻のトップであるエラスムス・ロッテルダム大学の環境は、トップ4の中では平均的な日本人が思い浮かべる「大学のキャンパス」というイメージに最も近い。場所は港湾都市ロッテルダムで、周辺環境も非常に良好だった。大学生活を送るには、いい環境。

北欧最高峰のビジネススクールと言われるコペンハーゲン・ビジネススクールは、出願にIELTS 7.0を要求される。高校の成績の要求基準は極度に厳しいわけではないのに、英語力の基準で入学のハードルが大きく上がっている学校。細かな専攻によって入学難易度が異なるけど、ここはIELTS 7.0さえあれば、このクラスの学校にしては、入学はそこまで難しくない。奨学金受給者も多く、狙い目の学校。

パリ三大ビジネススクールに数えられるエセック・ビジネススクールは、名門グランゼコールにありがちなアカデミックレベルの高さ。グランゼコールではなくバチェラーの学位であっても、フランスで楽をしたい人や卒業が不安な人には向いておらず、より上のレベルでビジネスを学びたい人に適している。パリの他にも、シンガポールとモロッコにもキャンパスがあり、以前にシンガポールとパリのキャンパスを現地訪問したけど、行けるならフランスの環境がベスト。

トップグループと同等くらいの評価

学校の特性上、大学ランキングには出てきにくいけど、トップ4と同等くらいの評価なのが、以下の3つの有名ビジネススクール。

商業系グランゼコールのESCPは、フランスの他に、イギリス、ドイツ、イタリア、ポーランドにもキャンパスがあり、実際に現地でキャンパスを見てみると、キャンパスごとに環境は大きく異なっている。進学するなら、実際に現地を調べて、キャンパス選びは慎重にすること。ここは意外に入学難易度が高くないので、成績にそこまで自信がないけど、高めの学費は払えるという場合、出願先の候補に入れてもいい。

エサデ・ビジネススクールは、訪問して学内で半日を過ごしたことがあるけど、勉強には非常に良いキャンパス環境だった。キャンパスはバルセロナの中心部ではなく、落ち着いた環境で学べる。ここは、日本人MBA(経営学修士)の方々が、日本語で「ESADE MBA 日本人サイト」を運営している。カタルーニャの財政官の重要なポジションには、エサデの卒業生が大勢いて、全てにおいて高評価のバランスの取れたビジネススクール。

IE大学のビジネススクールは、以前にランキング上位入りするためにデータ偽装スキャンダルを起こして問題になって、Financial Times(FT)のランキングから締め出された過去もあり(フォーブス誌にも取り上げられた有名なスキャンダルで、IE Business School Scandalで検索)、同じスペインのエサデより、教育機関としては半歩及ばない印象。ただ、ランキング操作に他校より力を入れているだけで、IE大学、IEビジネススクールともに教育機関としての評価は依然として高く、後者はFTのランキングにも復活済み。学士課程は学費を高くして、成績が良好な人に奨学金を出すシステムで、入学難易度は低い。資金のある人には狙い目。

次のグループ

上記トップに続くのはここ。

ティルブルフ大学は、オランダのビジネス専攻では、エラスムス・ロッテルダム大学に次ぐトップ2。どのランキングを見ても、ビジネス専攻ではヨーロッパのトップ層の一つで、世界中の大学と比較しても相当な高評価。

ビジネス・IT系、経済の専攻に強く、アイントホーフェン工科大学(オランダのコンピューターサイエンス専攻トップ2)とティルブルフ大学が共同で運営するデータサイエンス専攻は、非常にお勧め。アイントホーフェン工科大学でも学ぶことができ、両方の大学から学位も授与される。日本からも留学生が増えてほしい。

まとめ

英語で学べる学士課程を対象にすると、英語圏のトップグループに、主要なビジネス・経済専攻のランキングで割って入れる大学は、現状では上記の8校。

経済・経営専攻であれば、台湾でも韓国でもマレーシアでも、ヨーロッパの留学に詳しい人で、上記の学校を知らない人はいない。どれもビジネス ・経済専攻であれば、世界のトップ層に入る。

2020年8月23日時点の判断では、以上が韓国、マレーシアの協力会社の調査担当も含め、全員一致で合意した、特定の条件下でのビジネス(経営)・経済専攻のトップ8。

次点の第二グループ

トップ8に続くグループ

これに続くのは、入学難易度が意外に低いところもある西欧、南欧、北欧などのビジネス・経済専攻の上位大学。

この辺りまで来ると、世界のトップ70-250前後のレベルで、どこを選ぶかは好みの問題になる。

ヨーロッパのトップにこだわりがない場合、学部レベルでは、奨学金、学費、留学先の国、キャンパス環境、カリキュラム、知名度、総合ランキングなどで決める人が多い。イタリア、ベルギーの公立大学などは、入学難易度が低いケースがあり、内部の学生のアカデミックレベルの平均が高くない。数学のレベルも低く、大学で少し楽をしたい人、ハイレベルな教育に拘泥しない人には狙い目。

日本での知名度にこだわる場合、成績、英語力ともにトップ8さえ狙えるのに、ミュンヘン工科大学、アムステルダム大学、フローニンゲン大学、アールト大学に入学したケースもある。アジア人学生は特に知名度にこだわる場合が多く、知名度のあるミュンヘン工科大学、アムステルダム大学あたりは、アジアで人気になりやすい。

2020年2月時点です。最新版では若干の変動があります。

外部評価の割に入学難易度が高い三校

大学ランキングと入学難易度は、かなりの割合で一致しない。僕が留学していたブリティッシュ・コロンビア大学(カナダ)、トロント大学(カナダ)を考えても、少なくとも学士課程では、ランキングが下の東大・京大の方が入学難易度は遥かに上。個人的には、内部の学生のアカデミックレベルも、東大の学生には到底及ばない印象を持っている。

アジア人は単に英語力がないだけ、アジアの大学は英語や国際性の面でランキングに不利なだけで、台湾、韓国、中国も含め、東アジアの伝統のある大学の学生の学力は高い。

トップ8に次ぐ第二グループの中でも入学が難しいのは、以下の3校。

エコール・ポリテクニークは、いわゆるエリート教育を行う名門グランゼコール。潤沢な予算で研究・教育を充実させていて、学部教育の評価も非常に高く、集まる学生の学習熱も高い。

ただ、アジアの協力会社の出願者も、他の大学は問題なく合格していても、このエコール・ポリテクニークで撃沈してしまっている。アムステルダム大学、ESCP、IEなどが比較対象にならない別次元の入学難易度で、以前はボッコーニ大学やエラスムス・ロッテルダム大学の合格者ですら、エコール・ポリテクニークには不合格だった。韓国の協力会社のCEOは、「成績優秀で他の大学が全て受かっても、ここだけは落ちる」と嘆いていた。

グランゼコールの学位ではなく、バチェラーの学位であっても、ここは難関。厚い壁だけど、日本からもエコール・ポリテクニークに挑戦する人が増えると嬉しい。

アムステルダム大学は、ビジネス専攻に限って言えば、大学準備コース(ファウンデーションコース)を利用すると、比較的簡単に入学ができる。英国基準の中等教育を行っていない国からの留学生を増やすこともコースの目的なので、日本人は有利になるファウンデーションコースを活用する手もあると言えばある。問題は学費が高いこと。AレベルやSATをうまく活用して、ファウンデーションコースを飛ばして入学できるようになれば、費用は節約できる。

【ヨーロッパ英語留学】難関大学の条件付き入学許可証がもらえる公式準備コース(オランダ・スウェーデン留学編)

ビジネス・経済専攻で全体のレベルが高いところ

ビジネス専攻であれば、国全体のレベルが高いのは、誰でも名前が出てくるようなヨーロッパの主要な国。大学の入学難易度や内部のアカデミックレベルが高くなる傾向があるのは、ビジネス・経済で非英語圏ヨーロッパの先頭を行くスペイン、ドイツ、フランス、スイス、オランダ、ドイツの中の有名校。

日本で知られていないのが、フランスの高等教育機関グランゼコール。大学院で英語で経営・経済を学ぶのであれば、HEC(英語の学士課程なし)、インシアード(英語の学士課程なし)、エセックESCPのビジネス専攻トップ4を始め、商業系の名門グランゼコールに選択肢がいくつかある。

ぜひフランスの高等教育もチェックしていただきたい。

中小規模の大学に関して

エコール・ポリテクニーク、エセック、ESCPは「グランゼコール」、ボッコーニ大学、ティルブルフ大学は、「専攻できる分野が限られた中小規模の専門大学」として分類されるため、スペインのビジネススクールと同様、一般の日本人が目にする大学の総合ランキングには出てきにくい。そもそも評価の対象外になることがある。

でも、いずれの学校も、ビジネス・経済専攻では、非英語圏ヨーロッパでは最上位グループ。レベルの高い教育を受けたい人には、外部評価がトップクラスのグランゼコールや中小規模の専門大学はお勧め。

現地語のプログラムも入れたランキング

ちなみに「学士号を英語で取る」という条件を外せば、非英語圏ヨーロッパでは下のようになる。単なる一つの指標で、他の指標では順位が大幅に入れ替わる点は留意すること。

2020年2月時点です。最新版では若干の変動があります。

スペイン、フランス、スイス、オランダ、ドイツは、全体的にビジネス・経済専攻の評価が高い。国内の大学間の競争が、他とは比較にならないくらいハイレベル。

現地語で学ぶにしても、英語が通じやすい環境に留学したい場合は、こちらの英語能力指数ランキングも参考になる。オランダ、北欧諸国は、非英語圏でも現地の人に英語が通じる割合が高く、比較的、英語で生活がしやすい。

給付奨学金・教育ローン

国内外の政府奨学金があるので、留学する人はぜひ、それを活用していただきたい。スペイン、ポルトガル、フランス、イタリア、オランダ、ドイツなどのトップスクールに、奨学金で留学しているアジア人は大勢いる。日本人も、積極的にその機会を狙ってほしい。

奨学金は、以下のものだけでなく、地方自治体、民間団体(ロータリークラブも含む)の奨学金も必ずチェックすること。あまり知られていないところは、応募者が比較的少なく、競争率が低いケースもある。

トビタテ留学奨学金
https://tobitate.mext.go.jp/

海外留学のための奨学金
http://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/scholarship_guide/

外国政府などの奨学金
http://ryugaku.jasso.go.jp/scholarship/scholarship_foreign/

日本政策金融公庫の教育ローン(貸与型)
https://www.jfc.go.jp/n/study_abroad/index.html

いくつかのリンクを貼っただけで、まだ奨学金の選択肢はある。

推奨する方法

英語で学ぶなら、一番お得なのは、奨学金をとって、トップ8、もしくはスペイン、フランス、オランダ、ドイツあたりの難関校に進学すること。

入学の難易度は上がるけど、最初から学費の安いところを狙うより、内部の学生のアカデミックレベルは高いし、遥かによいキャンパス・教育環境で学べるし、学生のバックグラウンドも多様化している。大学で楽をしたい人は入りやすい大学に行くのが賢明だけど、しっかりした教育を受けたい人は、それなりの難易度のところを目指した方がいい。

各大学には奨学金制度があり、EU圏外の学生にも奨学金を給付するところも多い。まずは日本で申請する奨学金と並行して、興味がある大学の奨学金制度を学内ウェブサイトから調べること。

高校の成績を高くキープしていれば、奨学金の選択肢は増える。良くも悪くも高校の成績が影響する部分も大きいので、現役の高校生は、とにかく成績をあげることに注力してほしい。ビジネス・経済系の場合、数学II、Bの履修はほぼ必須と考えること。

留学する人へ

ビジネス・経済専攻で大学留学する人には、こちらで無料の大学探し・奨学金探しの手伝いをしている。新しく留学する学生の入学、サイト作り、交流会開催、動画・写真撮影などの手伝いをしていただく条件で、情報は無料で提供する。

ヨーロッパ留学の無料サポートの「ヨーロッパ全域のビジネス・経済学専攻版」と考えているので、連絡は「ヨーロッパ全域のビジネス・経済学専攻版の無料サポート希望」と明記した上で、以下のリンクと同様の方法で。

【ヨーロッパ留学】実質無料で大学探しから合格までを手伝います!

「あんたのサイトを見て、奨学金付きでエラスムス・ロッテルダム大学に行けたぜ。ビジネス・経済専攻のトップ留学生YouTuberになる俺を見てくれ」

「エコール・ポリテクニークをここで知って、出願したら合格してしまいました…。フランスでエリート教育受けてきます!」

「IELTS7.0でコペンハーゲン・ビジネススクールで奨学金取れたので、デンマークで学士号取ってきます!」

「政府奨学金で留学しているので、自分にできることで未来の留学生を手助けさせてほしい」

というような人がいれば、そういう人も連絡をくれると嬉しい。未来の留学生が人間として信用できる留学の先輩たちを集めて、次の世代の留学生を助ける小さなコミュニティーを作りたい。

協力してくれる人がいれば、学生たちが集まる会社の交流会や、個別にレストランやカフェで会いましょう。飲食費は会社で出します。

関連エントリー