連絡をくれた人と僕の人生の話

醜い嫉妬心に打ち勝てない人間が、やがてどうなっていくかを考えさせる話

以下は、カナダ先住民のクラスメイトが教えてくれたエッセイに載っていた話。

昔、二羽のワシがいた。

一方の小さなワシは、長い時間かけて飛ぶ練習をしていたこともあり、もう一羽の大きなワシよりも、速く、空高く跳ぶことができた。

小さなワシと同じように飛べない大きなワシは、表情には出さないものの、この小さなワシのことを、いつも心で苦々しく思っていた。


そんなある日、嫉妬を抱えた大きなワシは、一人の狩人に出会った。そして、狩人にこう頼んだ。

「謝礼は払いますから、あの小さなワシを弓矢で射殺してくれませんか?」


狩人は答えた。

「今は矢につける羽がないけど、それがあれば何とかできる」


「それなら、これで」

ワシは、自分の羽を抜いて一枚差し出した。

「ああ、これなら大丈夫だ」

狩人はその羽を矢につけ、優雅に飛び回る小さなワシをねらって、鋭い一発を放った。

「ダメだ!逃げられた!あいつは見事に空を飛ぶな。これは難しいぞ」

「あんなの、大したことないですよ。もう一度、お願いします」


その後、嫉妬心を抑えきれない大きなワシは、何とかしてあの小さなワシを殺そうと、狩人が狙いを外すたびに、何度も何度も自分の羽を抜いて差し出した。

ただただ、あの有能な小さなワシに弓矢を食らわせてやろうと考えながら。


しかし、それでも小さなワシは射止められない。


「すまんが、あいつは俺には手に負えないよ」

何度も失敗して根負けした狩人は、やがて、そう言って去っていった。


取り残されたワシは、あまりに多くの羽を失って飛ぶことができず、その夜、狼に食い殺された。

嫉妬から相手を攻撃しても、失うのは自分自身の羽。そういう人間からは、周りの人間は離れていき、やがて自分は飛ぶことさえもできなくなる。

自分の羽は自分が飛ぶために使う。それが幸せになるための第一歩。

他人を撃ち殺すために羽を使っていては、あなた自身は一生、大空を飛ぶことなどできはしない。

ABOUT ME
Yasu
Good Friends Japan CEO. We aspire to offer opportunities of international education especially to unprivileged young adults. ヨーロッパと台湾で仕事をする北海道育ち。大学をアメリカ、大学院をカナダで修了。リベラルアーツ教育、宗教教育修士。
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